意外な人間関係の苦労 薬剤師のお仕事

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“患者さんの第一声が「何しにきたん?」”

・薬剤師 12年目のSさん

ーあなたの仕事の成功体験を教えてください

勤務していた病院では小児科の救急を受けていたのですが、お盆やお正月は近隣の開業医の先生もお休みで熱を出した子が集中して受診に来られます。夜から次の日の朝までの勤務になるのですが一晩に多い時で100件近く処方が飛んでくる事もありました。患者さんの待ち時間もかなりあり、診察が終わり、会計が終わり、体力的にも疲れ切っている中最後にお薬を渡すのですがそこで我慢の限界を迎えた親御さんから待たせ過ぎとのお叱りの声を頂く事もありました。そんなしんどい中(患者さん、自分双方)でもお薬の説明をしっかり聞いてくれて「お薬頑張って飲むよ。」や「ありがとう。」といったお子さんの声が本当に励みになり、嬉しかったのを覚えています。
ー仕事で苦労した経験を教えてください。
入職して一年目の頃、入院患者さんの服薬指導に入らせていただいたのですが、訪室して自己紹介した後、患者さんの第一声が「何しにきたん?」でした。あまりに予想外のお言葉でびっくりしてしまい思考が停止しまいました。その後、我に帰り薬の説明に入ろうとするも「必要ない帰ってくれ!」と言われ、何度か説得してみるも「聞きたくない!」の一点張りで手も足も出ず帰ってきた事が苦い経験として残っています。

ー人生の将来設計を教えてください

近い将来、薬剤師はAIにとって代わられる職業の一つと言われています。調剤や、処方監査などは確かにコンピューターにやってもらった方が正確で早いかもしれません。しかし患者さんとの会話の中で用法はこういう風にした方が飲みやすいのではないか?や、こんな副作用が起きているのではないか?など個々に違った対応が必要なケースに対してはまだまだ生身の薬剤師が必要だと感じています。患者さんが安全に治療が受けられる様、その治療に対して疑問なく向き合える様、気軽に話しかけて貰えるような薬剤師になりたいと思っています。

ーーーそう語ってくれたSさん。いつも身近にある薬剤師さんという存在。実際に働いている方の苦労経験をお聞きできるのは非常に貴重な機会であり、今まで以上に感謝が深まりました。貴重なお話をありがとうございました!

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